こんにちは、黎明塾のきたです。
美術とは・・・なんて大仰なタイトルにしましたが、
そんな大したことを書くわけではないので悪しからず。
先日、ふら~っと鳴門の大塚美術館に行ってきたので、そこで感じたことを書こうかと。
この大塚美術館はかの有名な大塚製薬の系列にあたる美術館なわけですが、
金沢大学の私の恩師の教授が指揮するイタリアの壁画プロジェクトに技術提供をしていて、
教授も大塚美術館で講演などを行っています。
というわけで、一度行ってみたかった!ので、行ってきました。
大塚美術館の収蔵作品は全て陶板で出来た西洋絵画の原寸大のレプリカです。
なんだ、偽者じゃんと侮るなかれ。
世界で唯一の技術によって色から質感まで精巧に作られているのです!
1000点を超える世界中の名画が広大な美術館内に展示されており、
まともに観ようと思うと一日かかります。
私が特に見たかった中世からルネサンスにかけてのイタリアの絵画がたくさん!
さらに古代のポンペイ遺跡の古代ローマ絵画までありました。
エンカウストという蜜蝋を用いた技法で描かれたポンペイ壁画の光沢が
見事に再現された環境展示でした!
世界中に散らばった名画が大塚美術館という一つの場所で見られるという貴重体験だった
わけですが・・・。
西洋絵画、特にルネッサンス以前の絵画のほとんどは宗教絵画です。
キリスト教を題材としたもので、多くは教会の装飾や祭壇画のために描かれてきました。
古いイタリアの教会の薄暗い中で、小さな窓から入る光に照らされて映えるキリストや
聖母マリアの荘厳さを目の当たりにする感動は、近代的な美術館の中にはありません。
やはり、画家が設置される場所や窓からの入光を計算して描き上げた絵画は
その場所に立って見ないことにはその画家が絵画に込めた魂には触れられないのでは
ないか、と感じました。
思わず息を呑むような感覚や、心が揺さぶられるような静謐。
そこに本当に神が存在するかのような・・・。
キリスト教信者でない私が思わず入信してしまいたくなるほどです。
けれども、教会を装飾してきた画家たちの意図はまさにそれなんですよね。
教会に入った瞬間にまるで異世界、神の空間に足を踏み入れたかのような感覚を
私たちに与え、教会が神と唯一繋がることができる場となるようにすること。
なんの話でしたっけ?
ああ、大塚美術館でした。
いえ、大塚美術館を批判するつもりは毛頭ないです。
むしろ、素晴らしい美術館です。一度訪れる価値アリ!です。
なんせ、あの名画たちに触れられるんですから!
本物だったらロープの向こうから眺めるしかできない絵画に触れ、
巨匠と呼ばれた画家たちのタッチを間近で観察できるのですから!
こんなすごいことはありません!!
私は、あんなにたくさんの名画を見たら、本物を見に行きたくなってしまいました。
いつか見られるかなあ・・・。見たいなあ・・・・・・なんて。
では、このへんで。